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001 実習をひかえ

2001年、8月上旬。級友数人で、和歌山南部の海水浴場へ。
中旬から始まる実習を終えれば、あとは就職活動が本格化する。この機を逃せば遠出は不可能に近い。ギリギリまでそれぞれの日程を調整して、ようやく実現した一泊旅行だ。 

朝 早く、大阪北部から車で、ふたりが迎えに来てくれた。そののち、阪和道の岸和田サービスエリアで集合。京都から2人、兵庫からはバイクで1人。男ばっか6 人でどんどん南下する。本当はもう1人来るのだが、アルバイトの関係で夕方の合流とのこと。ま、何はともあれ、高速道路に有料道路、海沿いの国道とひた走 る。
 
4時間ほどかかっただろうか。宿泊する旅館に到着した。
チェックインまで3時間ほどある。荷物を預かってもらい、更衣室へ。
薄暗い足洗い場から浜へ出ると、一面の白い砂。
蒼い色の海を見るのも10年ぶりだろうか。さっそく皆で駆け込むと

「冷てーやん!」

太陽は真上、足を灼く砂。海水もそれなりの温度と思っていたのが甘かった。ぞろぞろと浜へ上がり、ビーチフラッグを本気で戦い、からだを温める。
 
改めて海に入ると、ほんとに目の前を魚の群れが行き来している。小さな「彼ら」を追っているうち、15メートル以上泳いだ経験の無い自分が、いつのまにか泳げていると気付く。友人の泳ぎについていけるほど、速くは進めないが、沖合いのブイから浜まで完泳。
少し横になって休む間の、風と夕陽の心地よさったらなかった。

やや暗くなりかけた頃、大阪からアルバイト上がりの1人が合流。メンバーが揃った。
夕食の後、すっかり暗くなった浜辺で、お約束の花火。林立するホテルが、砂浜を放射状に囲んでいて、さらにその外縁には住宅街もあるので打ち上げ花火は時間制限がある。

そんな中、花火をビームサーベルに見立てて機動戦士ガンダムごっこ……などなど、それはもう風雅な時間を……。

花火が尽きたあとは、部屋に戻り、まったり語らいの時間。

翌日は午前9時にチェックアウト、その後少し海に入り、昼食はバイキングの店でカレーやパスタなどをたらふく食べた。
食休みして、みな出発。和歌山で早めの夕食に、ちょいと名の通った「井出商店」でラーメンを食べる。なんだか食べ歩きツアーの様相だが、これ以外はひたすら車で移動して雑談しているだけなので、特段書くことも無いのよね。
 (南方熊楠の資料館(記念館だったかもしれぬ)に寄りたかったが、他の誰も「知らない・興味ない」ので通過しちゃったし)

再度、高速道路に入った。少し走った先のサービスエリア。この先、帰る方向は3台とも違う。
ここで、一応のお開きということにして、実習後、また皆で会うことを約し、散。

実習までは、あと一週間をきっている。バイクで疾駆したI君と二人、老人ホームで4週間。
クラスの中でも、真っ直ぐさと熱意でひた走る姿が目立つ彼との実習、正直楽しみだ。
自称「秘めた熱意の実は臆病者」、私ko.i.tsu。年下の相方、I君からも多くを学ぶことを期して。

(2003-10-08第一稿)
(2016-12-09訂正)

(2016-12-15)



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