老犬、ケージに戻りて

(以下本文約850字です)

15歳をこえた当家の飼い犬。2019年後半のこと、老いからか、脚が衰え始めました。加えて、昼夜を問わず大声で鳴き続けるようになってきました。

動物病院等で情報収集。寂しさから犬は鳴くことがある、と聴きます。

「彼」が幼犬のころ屋内で使っていた、大きめのケージを納屋から出しました。敷物をしっかりとセット。ケージを置いた土間は、幸い空間十分にて、そこで犬のようすをしばし見ることにしました。

幼犬時代から十年以上経ち、ケージ内生活再開。懐かしさがあるのか、わかりませんが、老犬さんは暴れたりはしませんでした。

加えて、ひと(家族)の気配を感じるときは、おおかた鳴かないようになりました。餌やりの他、トイレをさせるために屋外に犬を出し、ケージに閉じ込めたままにしないよう、家族総出で介護を始めていきました。

それでも夜間等、家族がそれぞれ自室で寝ると、「彼」は起きだして鳴くようになっていきました。ケージが嫌というより、寂しかったのだと思います。

そこでいろいろと試していきました。

灯りをつけたままにして、二~三日ようす見。でも鳴きます。

犬用のベッドを調達し、誰かといっしょの空間で夜を過ごさせてみます。これは効果があると判明。何か(おむつを替えてくれ、等の訴え)があるときは大声で鳴きますが、それ以外はかまってほしいときくらいしか鳴かないようになりました。少々憂わしげだった表情も穏やかになっていきました。「彼」の寂しさを、もっと早く強くしっかりと受け止めてやれば良かったと反省。

今では後ろ脚が相当に弱ってきている、我が家の犬。それでも食欲は十分あり、前脚はひねもす動かして「泳いだ」り「パンチした」り。

次第に、ふたたびのときを過ごしたケージから、犬用のベッドへとさらに生活の場を移動し(てもらっ)た老犬さん。

犬種としての寿命並みになってきたこの頃。でも、今年・2020年の夏は五輪中継などを見ながら、ともに涼しくした部屋で過ごせたら……。

これまで以上に心そそいで、残された日々を共に生きていこうと思います。

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